2015北海道マラソン報告  

2015/8/30

テレビ父さん
テレビ父さんと記念写真

プロローグ 

 北海道マラソンは私にとって今年の最大の目標大会です。

これまでトレーニングを積んできのは北海道マラソンのためといってもいいでしょう。

昨年のトレーニングの反省からまず体を壊さないこと。その為には今年の前半はLSDを中心に体つくりに努めペースを上げ過ぎないこと。大会出走後は特に走り過ぎに注意しました。7月に入ってからはレースペース養成期間です。ところがこのレースペースが問題です。いったいどのくらいのペースに設定したらいいのか。カメさんランナーとしては何としても制限時間内の完走が最終目標です。北海道マラソンの最終打ち切りポイントが道庁41.6kmの5時間05分。計算上はイーブンペース7min/kmで時間内完走可能です。とは言いながらもぎりぎりペースでは心もとない。

そこで本番約1か月前に行われる北海道マラソン教室30km走に昨年に続き出走。レースペース最終検討することとしました。昨年と同じk6min40sec~45sec/kmを目標に走ってみました。気温25.2℃でくもり。昨年の北海道マラソンに比較すると少し走りやすい気候でまずまずの30km走(3:19:37)でした。昨年の同じ時期の30km走では最後ヘロヘロでもうこれ以上走れません状態でしたが、今回は何とかいけそうという気になりました。しかもtimeは昨年に比べて2分30秒ほど早い。春先からのLSD中心の体つくりが効いているのでしょうか。

ラジオ体操に集まる小学生たち(近くの公園)
ラジオ体操に集まる小学生たち(近くの公園)

 7月下旬は学校も夏休みに入り、近くの公園ではラジオ体操が始まります。北海道マラソンは9:00スタート。生活のリズムを合わせるためにラジオ体操に通うことにしました。5:30起床。洗面等を済ませジョグで町内を走り6:30会場の公園着。北海道マラソン当日は7時頃に自宅を出なくてはならないのでこの時期から準備です。特にトイレ問題は重要です。北海道マラソンルート上のトイレは決して多くない。事前に対応していないとロスタイムが気になる。

ところが大会1か月前頃にこんな本をラン友から紹介される。

鈴木清和著:「ランニング3軸理論」

一言でいうと体型によって適した走り方が違うという内容。私のように短足胴長はどうやらスイング走法があっているらしい。実際走ってみるといつものペースよりk40sec~50secほど早くなる。10km走をしてみたらあれほど1時間切ができなかったみねごんが59分台で走れる。中学生頃の100m走を思い出すような走り方。SWING軸(左右の股関節を貫く軸)がぶれないように意識して脚をスイングするイメージ。これは新たなステージにバージョンアップか?なんてお調子者のみねごん。ただし息がきれる。これで大会レースペースの設定は迷いに迷いました。

しかし大会前日の北海道マラソン教室最終回で山西哲郎先生の「息を切らさない程度のペースを守ること」とのアドバイスで腹を決める。「息を切らせてはダメ。でもスイング走法を試しながらかつ時計に頼らず自分の体の声に耳を傾けながら走ろう」と自分勝手に決意。

北海道マラソン大会当日

 そしていよいよ大会当日です。

5:00起床。

一カ月以上前からラジオ体操のため早起き習慣を身に着けていたこともあり出発までスムーズに進行。食事も三日前からカーボローディング。昨年はいつもの食事プラスもちを追加していたが今回は主食をもう一膳、食パンはもう一枚とあまり力まずに多めに摂ることにしました。やり過ぎると腹の調子が不調になることが多いためです。

7時前に自宅出陣

近くのJR森林公園駅から札幌駅へ。森林公園駅では道マラ出走と思われるランナー4~5名が同じ電車に乗り込んだようです。中には顔見知りのラン友も。

北海道マラソン 大通会場
会場にはすでに多くのランナーが

 8:00前にはスタート地点の大通りに到着。すでにたくさんのランナーで埋め尽くされています。カラフルなウエアーに身を包んだ数多くのランナーを見るとお祭り気分になり心も高揚してきます。荷物を預けトイレも済ませてEブロックに集合です。この大会のため大会の2週間前からの禁酒、2日前からの断コーヒー。

ちょっと心配なのは付け焼刃のスイング走法しかも最長10km走しか経験していないこと。ここでくよくよしても仕方がありません。行けるとこまで行ってみようとまな板の鯉状態です。

北海道マラソンスタート前
スタート前のEブロック

スタート前の気象状況がアナウンスされます。9時時点の気温は21.2℃・湿度59%。

予報でも最高気温は24℃程度と昨年(27℃)に比較してやや低く条件としてはGood。ただ日差しは強く体感的には結構暑い。日陰では風が涼しいのでいいのだが、勝負ポイントの新川通では日陰は期待できない。

 例によってテレビ塔のデジタル時計のカウントダウンそしてMCが大きな声で10・9・8・・・・。昨年と同じEブロックですが、TV塔がやけに遠くに見えます。今年のフル出走数が14,287名とのことで昨年より多いからでしょうか。

そしてスタートです。号砲とともにわが愛機Garmin君のスタートボタンon。

 正面の大型モニターに映るように手を振るランナーも多し。私も・・。

ロスタイムは4分14秒。昨年より1分あまり多くかかっている。ランナーの流れに乗って5kmまでは準備運動のつもりで・・。スタートラインから地下鉄すすきの駅方面に直進すると最初の1kmラップをGarmin君が教えてくれる。k6分43秒。こんなものでしょう。スイング走法も異常ない。地下鉄中島公園駅を左折し、すぐ右折。中島公園を右手に見ながら進むと2kmラップGarmin君が体を震わして教えてくれる。6分01秒。想定ペースより速いが特に息切れはしない。4km~5kmには北海道マラソンコースで唯一といってもいい上り坂。5kmのラップは6分37秒。上々の滑り出しです。

 5.5kmの第1給水所到着です。スタート前にラン友から頂いた塩タブレットを途中なめながら走っていたのでここではスポーツドリンクではなく水で口をゆすぐ。水はしっかり冷たくて気持ちがいい。ここから先の給水はすべて水。スポーツドリンクは飲まずじまいでした。これが大きな間違いの一つだったんでしょうか。

 

それでも暑さもそれほど感じスウイング走法も順調。k6分~6分30秒で進みます。

 7kmすぎには右手に持っていたiPhoneをポシェットに収納。昨年は16km付近まで写真を撮っていましたが今回は万全を期して早めにランニングに集中です。手に何も持たないと本当にストレスが少なくなります。フルマラソンではちょっとしたことが気になります。ポシェットの重さとか、塩飴を包装から取り出す手間とか、胸に付けた心拍計のずり落ちとか。

 

いつものことながら7kmくらいで呼吸も定まりリズムも出てきて気持ちよく走ることができるようになります。10km関門手前の創成川トンネルでは早くもリタイヤランナーが倒れています。後続ランナーがぶつからないように注意喚起するボランティアの方。昨年も同じところでリタイヤランナーを見かけた記憶がよみがえります。大事にならなければいいのですが・・・。

10km関門通過スプリットタイム(号砲からの経過時間)1:08:56(21分の貯金)。

その後も順調に6分前半のペースで進む。16km付近では対向車線のトップ集団とすれ違う。昨年はトップ集団がばらけていましたが今回は一段となってデッドヒートを繰り広げているようです。これ以降特に新川通が勝負ドコです。少しずつ疲れも出てきたのかk6分30秒をオーバーし始める。新川通には入り途中の給水ポイントでは氷を配布始めたのでタオルにくるんでもらい首に巻く。そのほかにはランパンのポケットにも入れる。こうしておくと大腿部を冷やすことができるという情報を耳にしたからです。たしかにその効果はありました。でも緩めのランパンのためずり落ちできます。別な意味で危険です。

 

20km関門通過スプリットタイム2:14:41(21分の貯金)

 

21km過ぎからふくらはぎ、前脛骨筋がひくつき始める。こんな時歩いてしまうとてきめん足がつり始めることがあるので足を止めないようにと前に進みます。このあたりから給水に時間をかけたせいかk7minをオーバーし始めます。かなり足の疲労が関係しているのかもしれません。やっぱり中間点過ぎから苦しさが襲ってきます。よく30kmの壁といいますが私の場合はかなり手前でやってくるようです。

折り返し地点を過ぎようやく札幌市内に向かって走ります。新川通のたくさんの私設エイドもあり、利用するしないにかかわらずランナーの後押しをしていただきました。沿道から山西哲郎先生(群馬大学名誉教授)、山口明彦先生(北海道医療大学教授)のハイタッチをいただき元気を回復する。しかしこの脚の筋肉のひくつきが気になる。時々けつまずいて転びそうになる。なんとかもってくれと祈りながら向かい風の新川通を走ります。

 

30km関門通過 スプリットタイム3:26:49(15分の貯金)。

貯金が減ってきた。30km過ぎに例のセブンイレブンが見えてくる。昨年極度の疲れと尿意に我慢ができず飛び込んだコンビニ。そういえばちょっと寄って行きたい気もある。ダメダメ同じ間違いを犯してはいけない。通り過ぎようと思ったがランナーの出入りが目につく。引き寄せられるようにコンビニにへ・・・。昨年、最初の使用者がなかなか出てこなかったあの忌まわしい記憶がよみがえる。今回も順番待ち3番目。昨年と違いスムーズに終了。そしてレース復帰。

しかし、この脚のヒクツキどうにかならないものか? 自分の意識とは関係なくかってに攣るので危なくてしようがない。顔面をアスファルトに打ち付けてしまうのではないかと心配。

それでも何とか35km関門通過 スプリットタイム4:07:31(8分の貯金)。

どんどん財産が減っていく。気分的には35kmをすぎると残12.195kmなのでいつもの練習コース「町内周回コース」3回とイメージがわいてくる。このあたりからは如何に足を止めないか、走り続けるか。そして北海道大学構内へ。関門時間が気になります。大学構内には40km関門があります。今回は大学構内に入って関門までずいぶん長い距離に感じます。

40km関門通過 スプリットタイム4:44:20(6分の貯金)。

道庁前 最後の関門に向かって
道庁前 最後の関門に向かって

 次の関門は道庁41.6kmで最終関門です。確かそこを5時間5分で通過すればOKなはず。ということは1.6kmを20分で走ればセーフ。これだけあれば大丈夫と多少安心。ところが脚がいうことを聞きません。ふくらはぎが勝手に収縮。全然戻りません。立ち止まってやさしくなでてあげます。「ここまで来て、なんだよ。もう少し静かにしておくれ。」だましだましそして何回も立ち止りながら最終関門に向かいます。先ほどの安心感はどこかに吹っ飛んで立ち止まってはマッサージ、歯をくいしばって筋肉の痛みに耐え道庁に向かいます。みじめな走りだったんでしょうか沿道の人はみてみぬふり? 私も以前ゴールの近くでがんばれーとランナーに声援を送ったことがありますが体が動かなくなったランナーが近くに来たら気の毒で声もかけられなかったことがあります。限界に近いランナーには気軽に「頑張れー」なんて声かけられないですよね。本人は頑張っているんだから・・。


Goalにむかって最後の力走です
Goalにむかって最後の力走です

 ともかく最終関門5分前に通過。何とか滑り込んだようです。あとはみっともないところはみせないようにとおそるおそるランで大通のゴールを目指します。昨年のラストスパートなんかからは程遠いよれよれゴールとなりました。

 

グロスタイム 5時間04分05秒

ネットタイム 4時間59分52秒

2015北海道マラソンゴール
ゴール後振り向いてパチリ

 今回写真はゴール近くなってまた撮り始めました。脚は動かなくなったものの意識ははっきりしていたので写真を撮ることができました。逆に言うと下半身だけがいうことが効かなかったということでしょうか。それにしてもゴール直後のランナーの表情が素晴らしいですね。苦しんで苦しんで一生懸命に努力している姿は人の心に響きます。


私の長い北海道マラソンも終了しました。

戦い終えて

今回で3回目の北海道マラソン。散々でした。北海道マラソンといえば一般市民にも開放されているとはいえ夏の暑さと厳しい関門の数々。最初に走った2013年大会。本当に完走できるのか心配で絶対オーバーペースは避けようと初めからk7分以内でと謙虚な気持ちで走りました。振り返ってみるとこの大会がtimeも一番よく、内容も十分満足できる走りでした。しかし回を追うごとにtimeだけではなく内容も悪い走りとなってしまいました。

距離

5km

10km

15km

20km

中間

25km

30km

35km

40km

Goal

2015年スプリット

36:46

1:08:56

1:41:17

2:14:41

2:23:10

2:49:30

3:26:49

4:07:31

4:44:20

5:04:05

2014年スプリット

37:04

1:10:40

1:44:24

2:17:50

2:25:47

2:52:10

3:26:28

4:10:18

4:45:07

5:01:51

2013年スプリット

39:57

1:14:21

1:48:44

2:22:52

2:30:50

2:58:44

3:33:57

4:09:35

4:45:59

5:00:59


特に今回は脚の攣りがひどかった。中途半端なスイング走法が災いしたようです。まだ完全に身についていない走法をぶっつけ本番で試すなんて相変わらずのみねごん。反省です。

ところでこの脚の攣りについて今後のこともあるのでちょっと調べてみました。

調べるといってもrunnetの「ランナーの知恵袋」から検索したものですが

その原因と対策は以下の通りです。

  1. 前半をもう少し抑えて入る
  2. 長距離の筋持久力をつける
  3. スクワットやカーフレイズなどにより足の筋力を強化する
  4. 最後に蹴ってしまっているのが原因なので股関節を意識して足を前に振り出す感じで走る
  5. 芍薬甘草湯、クランクストップなどの痙攣止めを使う
  6. 着圧ソックスが有用
  7. 10kmごとにアミノ酸と塩熱サプリを摂る
  8. 練習ラン後のストレッチ体操の習慣化
  9. 軟固定できるフットフレクサーという器具を使用する
  10. 筋肉が冷えてしまう+乳酸が蓄積される+発汗で電解質バランスが維持できなくなる=攣る
  11. 一回当たりのトレーニングの距離を伸ばす
  12. スポーツドリンクなどミネラル分の補給をする
  13. 塩や梅干しをとり塩分を補給する(スポーツドリンクの塩分濃度では低すぎ)
  14. 電熱サプリというタブレットを5㎞毎にかじりながら走る
  15. カーボローディングやジェル(やクエン酸)などの補給によりガス欠を避ける
  16. VAAMの飲みすぎにより多発汗によって攣ることがある
  17. こまめに水分を補給する
  18. 冷水を脚にかける
  19. 筋肉痛止めのスプレーをかける
  20. 安全ピンの針で足を少しつつく
  21. 同じスピードで20kまで走り、そこで2分以上10分までの小休止(歩いてもよい)をとり、再度同じスピードで残りの10kを走る練習をする
  22. 前腕部(手首と肘の間)の裏側(肘が膝と考えて)がふくらはぎのツボがあるので10キロあたりからふくらはぎが攣りそうになったレースでひたすら前腕部のマッサージをする
    ※ 太字はみねごんにとって大事と思われる項目です。

今回の大会で心当たりのある原因は2つ

 

「4.最後に蹴ってしまっているのが原因なので股関節を意識して足を前に振り出す感じで走る」

スイング走法とは言いながら未熟なため足を使った走り、特に下腿部に無理がかかったのではないか。後日筋肉痛が出た部分は下腿部の筋肉と大腿四頭筋。一番大きな筋肉ハムストリングと大臀筋はほとんど無傷。すなわち使われていなかったということ。今後は走り方をもう少し研究し大きな筋肉を使って走ることを考えていきます。

 

「12.スポーツドリンクなどミネラル分の補給をする」

いつもの大会ではなるべくスポーツドリンクを摂り、後半になってから水と決めていましたが今回は水のみの給水でした。これも攣りの原因の一つではないかと思います。

 

そして、今の私の実力では最初の入りのペースが速すぎた。「自分の体に聞いて走る」とはいえオーバーペースだったようです。もう少し筋持久力を付けてからでないとペースアップは早すぎるのかもしれません。

したがって対策は

 

「11.一回当たりのトレーニングの距離を伸ばす」

 

でしょうか。

 

今回の北海道マラソンは昨年に比較して気温も低めで走りやすかったと思います。その後の報道によると完走率82.4%(2014年は78.2%、2013年は87.5%)だったそうです。

それにしてもやっぱり夏の大会。暑いことには変わりはありません。暑さ対策は必須です。

 

今年のフルは北海道マラソンで終了です。

来年はおそらく北海道マラソンを走ることはないでしょう。

別のフルをたくさん体験して再挑戦できればいいなと思っています。

 

最後に沿道の私設応援団の方々、献身的にサポートしていただいたボランティアの方々、関係者の方々に感謝申し上げます。

 

おわり

 

2015/9/4 記


 

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